ささやかな逃走

サウンドブランディングについて考えるブログ

ウィーン公共交通と生み出す新たな"街の音"

再び、Audio Branding Awardsに一度戻り、ゴールド受賞作の紹介です。

オーストリア、ウィーンの公共交通"WIENER LINIEN"のサウンドブランディング事例です。

ここでも、サウンドロゴとそれに伴うテーマ設定が評価を得ています。
作るに当たって大切にされたのは、"ウィーンらしさ"。
"The sound concept evolves around Vienna’s defining audio motif: The Vienna waltz. The “Donauwalzer” and its 6/8 rhythm were the main musical inspiration for the 4-tone sound logo..."

ウィンナーワルツとその8分の6拍子のリズムを元に作られたというのが、
「その街」を作り出すのに不可欠だったと、製作者は語っています。

4つの音から成るロゴの前には、
発車する電車のドアが閉まる音
後ろには
バスが到着する音
となっているのも興味深いです。


特徴的なのは、その使われ方の幅の広さ。
電話の保留音・動画内・アナウンスのベル・イベント・社内オーケストラ・自動券売機など、様々なツールで活用されています。

また、アナウンスの女性の声に関しては、4人の候補者の声から、一般の人々が投票で選ぶという形式をとっています。
サウンドブランディングと言っても、一方的なものだけではなく参加型の仕組みが評価された部分も大きいようです。投票に参加した人数は2万人にのぼるとのこと。
結果、オーストリア訛りのある女性の声が選ばれたようです。

 

"this is our new sound of city"
と説明動画内にあります。"街の音"って良いですね、日本だとどうなるんでしょう。東京だと。

都営交通がやったらどうなるのかな。